「熊本地震」の風評被害を受ける九州7県の市長らが20日、東京・丸の内のビジネス街でプロモーション事業を行った。「今こそ九州観光!」と銘打ち、各県の市長や観光関係者がそれぞれの地域の現状や魅力をPR。「被災地は復興のために全力を尽くしている」「観光客に来てもらうことが復興につながる」と道行く人らにアピールした。
地震の直接被害を受けた熊本、大分両県をはじめ、福岡、鹿児島など九州全県の19市が参加した。
司会役を務めた福岡市の騠島宗一郎市長は「被害は2種類あり、一つは家屋などの直接被害、もう一つは風評被害だ。九州(の観光地)はほとんど直接被害がないにも関わらず、今、観光に行くのは不謹慎だとキャンセルが続出している。九州7県で70万件の宿泊キャンセルが出ており、大変な経済的ダメージを受けている」「観光を楽しむことは決して悪いことではない。九州の観光地にとって、観光は遊びではなく生活の全てだ。だからこそ、皆さまにはどんどん来てもらいたいし、現地の本当の姿を見てもらいたい」と述べた。
観光庁の加藤庸之・観光地域振興部長は「観光に来てもらうことが、地元の人々にエールを送ることにつながる。政府も1日も早い復興へ、短・中期的な対応をどんどん行いたい」と述べた。
PRタイムでは、九州7県の関係者がそれぞれの地域の現状と魅力をアピール。嬉野市(佐賀県)の谷口太一郎市長、上天草市(熊本県)の堀江隆臣市長、玉名市(同)の騠嵜哲也市長、日南市(宮崎県)の郫田恭平市長ら、各市のトップも登壇して精力的にそれぞれの魅力を訴えた。
市長らは、「市内の観光地は被害がほとんどなく、通常通り営業している」(玉名市・騠嵜市長)、「温泉地も全て営業している」(大分県別府市・猪又真介副市長)と、観光地の通常営業をアピールしたほか、「被災者の皆さまをお招きして、ゆっくりと温泉に入ってもらい、お泊まりもいただいている」(嬉野市・谷口市長)と、旅館・ホテルが被災者支援を行っている現状も報告した。
イベント終了後は通行人に観光パンフレットを配布。日田市観光協会(大分県)の黒木陽介・営業企画事業部部長は「市内の宿泊キャンセルは10日現在で6万人。年間40万人の宿泊客のうち、6万人のキャンセルは大打撃だ。キャンセルが入る件数は既にピークを迎えたが、新規の予約が入らない。お客さまを呼び戻すために、『ふるさと旅行券』の仕組みを活用したり、イベントを行うなどの対策を検討している」と述べた。
プロモーションは海外でも実施。21日は台湾・台北に12市、22日は香港に6市が訪れた。
九州出身の芸人やミュージシャンも参加した誘客プロモーション(東京・「丸の内オアゾ」で)